東京タワー

東京タワーに一度だけ登ったことがある。私は東京生まれの東京育ち。にも関わらず実は東京タワーに登ったことはそれまで一度もなかった。東京タワーは遠くから見るものであり、旅行から帰ってきたときに「あぁ、無事に帰ってこれた」と思えるシンボルであり、信号のようにあって当たり前のものであり、そこにわざわざお金を払ってまで登ろうとは一度も思わなかったのである。だけどこれって私だけでなく、東京に長く住んでいる人って意外と東京タワーに登ったことが無い人は多い気がする。だって大阪出身の人に「通天閣登ったことある?」って聞いたら「ありえへん」って答えが返ってきたし。
それなのに今更どうして東京タワーに登ろうと思ったかって?それは2歳の長男のためだ。彼はどういうわけか東京タワーが好きで、積み木で遊んでもブロックで遊んでも、やたらと東京タワーを作りたがる。高いビルや鉄塔、しまいにはその辺にある電柱を見ても「東京タワーだ!」というようになったので、それなら本物を見せて登ってやろうと思ったのだ。
(参考:窓掃除まで行ってくれるお掃除ロボットが存在する!?

本物の東京タワーを見て、長男はとても興奮していた。そして展望室までエレベーターで昇り、眼下に広がる景色を見たとき、私は思いがけず感動してしまった。ずっと下から見上げていたその場所を見下ろしている、そのことがとても新鮮に思えたのだった。
そのとき隣にいたおばさんたちの会話が聞こえてきた。何でも東京タワーの窓を外側から掃除する若い女の人のことがテレビでやっていて、窓の外側のスペースをつたって掃除をするらしいわよ、とのこと。それでか…東京タワーの窓がとてもきれいなことに驚く。綺麗な景色を楽しむためには、窓がきれいでなくちゃいけないから、そうやって命がけで掃除をしてくれる人がいるんだな…。東京のことを全て知ったような気でいたけれど、まだまだ私の知らない東京があるんだなーと反省したのだった。